2010.07.23 Friday
御蔵島とイルカ
こんにちは。
先週、梅雨明け前後に御蔵島にイルカと泳いできました。 御蔵島は伊豆七島の一つで、三宅島の隣にあります。 島の周りには昔からイルカが約200頭ほど住み着いています。 ここでイルカは子育てをして過ごします。 ここのイルカの種類はバンドウイルカで、ハワイのシャイな スピナードルフィンとは違い、人に好奇心を持ってコミュニケーションしようと近づいて来てくれます。 特に御蔵島のイルカはフレンドリーです。 人間とのいい関係を築いてきた結果なのでしょう。 島の周りは切り立った断崖で囲まれていて、崖の上は緑が生い茂っています。 この光景を海から見ているととても神秘的です。 ここは、ドルフィン・ラバーにとっては、東京からも近く、 一緒にイルカと泳げるとあって聖地になっています。 私達も「イルカと泳げる!」と行く前から興奮していました! イルカくんも「行きますよー!」とはりきっていました。 島に辿りつく手段はヘリコプターなどもあるのですが、 一般的なのは竹芝桟橋から出る船です。 竹芝桟橋から出て、三宅島、御蔵島に寄って八丈島まで行き、 そこで折り返してまた御蔵島、三宅島、竹芝桟橋と1日かけて戻ってきます。 私達もその船に乗って御蔵島に向かいました。 しかしこの船。 少し曲者で、波や風の条件によっては御蔵島には 泊まらないことがあるのです。 御蔵島以外の島には大きな港湾施設があるため、少々の波や風でも 泊まることができるのですが、御蔵島だけは桟橋があまり立派では ないために、休みを取ってせっかく行ったのに「泊まらない」という 洗礼を受けることがあります。 実際、私達も行きは船が御蔵島に泊まりませんでした。 船中で寝ている時にも結構揺れていたので、 「朝、着かないかもな〜」 なんて思っていたら、案の定、朝6時には着かず・・・ 船はそのまま八丈島に向かいました。 八丈島には無事着きましたが、 竹芝桟橋に向かって引き返す船が、次に御蔵島に泊まれるという保証はありません。 私達と同じように御蔵島に向かっていた方で、ヘリコプターで向かうと決めて、八丈島で下船される方もいらしゃいました。 私達の乗った船は、午後の2度目のトライでなんとか無事に御蔵島に着くことができました。 帰りも、やはり船が必ず泊まってくれるという保証はなく、船が泊まれず、 島で延泊することになることもあるそうです。 東京都から近いようでいて、遠い御蔵島。 やっぱり神秘の島です。 島に着くと天気も良くなり、イルカと泳ぐ船が出てくれました。 船さえ出れば、イルカとほぼ会えるのが御蔵島。 さっそくお出迎えしてくれました! イルカくんも仲間と泳げて、大満足のようでした。 海亀も優雅に泳いでいました。 子供のイルカが海藻を海面から放り上げては、口でくわえて 遊んでいる姿も見れました。 「遊びたくて仕方がない〜」 そんな感じでした。 親子のイルカも一緒に泳いでくれました。 子供のイルカは母親から離れずしっかりと泳いでいました。 彼らは宿で一緒になった仲間の周りを何度も回ってくれました。 人間が船から降りると、イルカが下で待ってくれていたこともありました。 思わず「こんにちは!」 そんな時は、カメラで撮るのも忘れて、一緒に泳ぎます。 キュイーンという鳴き声で「ぼくたちそばにいるから、気づいてね!」と 教えてくれているのですが、私達人間はそれでも気づけなくて、 後ろからたくさんのイルカが現れることが何度もありました。 今回のドルフィンスイムでは、たくさんのイルカと泳げました。 イルカくんも「満喫してイル!」 御蔵島のイルカさんは素晴らしいです。 何故、御蔵島だけにイルカが住み着いているのか 疑問に思いますよね。 島のガイドさんのお話では、 「イルカは漁師にとっては魚を食べてしまうので、厄介者。 だから、三宅島など他の島でも昔はイルカが住み着いていたんだろうけれど、漁師がイルカを追い払ってしまった。 けれど御蔵島では昔からあまり漁をしてこなかった。 なぜなら漁をしても出荷する手段がなかったので、 自分たちが食べる分だけの魚を捕っていたから。 島の人にとってイルカが食べた残りを食べさせてもらうくらいで充分だった。 だから、イルカを追い払う必要もなく、結果的にイルカとずっと共生してきた。 このように島の人がずっとイルカを大切にしてきたから、 今でもイルカが住み着いているのでしょう。 今ではイルカのお蔭で、たくさんの人が島を訪れ、島の貴重な収入源。 お嫁さんもやって来て、人口も増えた。 これもイルカの恩返しなのでしょう。」 島の人は本当に穏やかです。 ガイドさんの話では、 「島は、大きな港がないため漁業も発展せず、 畑も坂ばかりで、小さい畑が少しあるくらいで、農業も発展しなかった。 昔から産業がないため、山に木の実や山菜を採り行く暮らしを ついこの間までしていた。 あくせくせずに、島民同士がお互いの軒先で立ち話をしながら、 のんびりと暮らす・・・ 娯楽と言えば海で泳ぐくらいで、後は酒を食らっている(笑) 臨時の食料が手に入ったり、魚が捕れれば、島民でお互いに 分け合い、助け合う暮らしだった。 」 昔は島民が100人を超えると危ないと言われていたそうです。 本当に楽園に近い姿だなと思って聞いていました。 都会生活に慣れた私達は刺激のなさに退屈になってしまうのでしょうが、 本来の人間はこのような中で生活してきたのでしょう。 島の人たちの気質は、イルカそのものなんだろうなと思いました。 心洗われる御蔵島でした。 ドルフィンライフマスタリースクール 小田原篤弘 |